#1【クロノスの商人が教える】新米トレーダーは全財産を賭ける。

どもども、クロノスの商人(@ChronoMerchant)です。
本日から、資産を増やす方法を教えちゃいますっ!

 

新米トレーダー物語始まる!

この記事では、新人トレーダー物語風にトレードの流れや注意点などを書いています。

 

新米トレーダーは全財産を賭ける。

金持ちトレーダーは注意深く取引量をコントロールする。

新米トレーダーは沈思黙考していた。

彼はより大きな利益が欲しかった。

それも、もっと早い段階で。

 

SRRS株を500株、一か月近くにわたって保有したこの経験をもってして、1,000株を取引する準備が整ったのではないか。

5,000ドルを2ポジション持つ代わりに、1万ドルを1ポジション持つだけではないか。

信用取引を使えば2万ドルが使えるということと同じだから、1万ドルの取引でも確実に平穏な気分でいられるのではないか……。

 

彼はこのことを何度も何度も考え、取引プランを変更するように自分を説得しようとした。彼はデカい取引を、それもなるべく早くしたかった。彼はSRRSが決算発表までに12ドルに達するという予想が確実に思われて仕方がなかった。

だから、全てをそこに賭ける誘惑に駆られていた。もちろん、この時点では欲望が彼の良心を凌駕していた。彼は自分ではこの事実に気づいていて、金持ちトレーダーが話していた教えに集中しなければいけないことはわかっていた。「トレーダーとしてのおまえの仕事は取引に集中することで、利益ではない」利益は一回の取引につき一度得られるものだ。そう考えたところでアイデアが浮かんだ。

SRRSの来月満期で行使価格11ドルのコールオプション(オプションは金融派生商品の一つで、コールオプションとは、ある期日に、ある物を、ある価格で買う権利のこと。売る権利はプットオプションと呼ばれる。それで狂った考えが彼の頭の中に入ってきた。1万株を自分の口座の1万ドルでコントロールできるのではないか。

 

オプション取引が100株単位なのは知っていた。

オプション価格は株式一株一株に対するものなので、100株につき100ドルというのはわかりやすい。

彼が理解していなかったのは、株価は11ドルに達しなければならないだけではなく、それに加えて、オプションプレミアム分、上昇しなければならないということだ。

そのオプション取引でとんとんの収支になるためだけでも、SRRSは今後30日の間に12ドルに達しなければならないということになる。

10ドルあたりで取引されている銘柄の11ドルのコールオプションということは、彼はオプションの本質的価値を買おうとしているのではない。

期待を込めた時間的価値だ。

 

その価格で株式を買うという権利を1か月間買おうとしているのである。

彼は株価が今後30日間で20%上昇する可能性がどれくらい低いか理解していなかった。

過去の実績で見ると、SRRSは10から15%、決算発表の前か発表後に上昇している。

それはすでに起きたことだ。

 

新米トレーダーは取引したくて仕方なかったが、これには5つの問題があった。

  1. この取引は彼の取引プランに反するものだった。
  2. 彼は自分がしようとしている取引の中身を完全に理解していなかった。
  3. 彼は取引が成功する可能性を探るために必要な、株価の過去変動についての調査をしていなかった。
  4. それはいちかばちかの賭けだった。オプションが無価値のまま満期日を迎えれば、彼は口座の1万ドルを全て失うことになる。
  5. 万が一、判断が正しく、大きな利益が得られたとしても、これによって彼は再び大きなリスクを取るような取引を推奨されることになってしまう。

そのため、彼は最終的には口座の全ての資金を失うことになるかもしれない。

彼にとっては幸運なことに、逡巡しているうちに、また別の感情の声を聞くことになった。

すなわち、恐怖心だ。

この感情はトレーダーを何度も行動不能に陥れるが、それでも欲望をかわすために恐怖心を使うのは賢い方法だ。

恐怖心はすぐさま、もし取引が完全に失敗した場合に彼が全てを失う可能性があることを指摘した。

恐怖心はまた、彼が金持ちトレーダーに電話して、このサイコロを振って全てを賭けるという衝動について話すのを控えさせた。

 

すると、何かが新米トレーダーの心に芽生えてきた。

もし、投資の先生と話すことをためらってしまうような取引だとすると、そんな取引はするべきではない。

新米トレーダーは彼の先生である金持ちトレーダーの家に行くことにした。

彼の取引プランをより良いものにして、より彼の目指すゴールにマッチしたものにできるよう、アドバイスをもらうために。

 

しかし、彼は今回味わった欲望との葛藤については、金持ちトレーダーには話さないでおこうと決めた。

彼は平日の昼間に不躾に金持ちトレーダーの家を訪れた。

あらかじめ伝えていなかったのだが、金持ちトレーダーがパジャマ姿なのに驚いた。

片手に本を持っていて、明らかに今、読書していたという様子だ。

何というか……実に変だ。

 

どうしてテレビのスイッチが入っていない?CNBCが放送されているじゃないか?パソコンが何台もうなりを上げて、彼はディスプレイにかじりついているはずじゃないか?新米トレーダーは気になって仕方がなかった。

「今日は取引していないんですか?」

玄関に立ちつくしてもじもじしながら、新米トレーダーは尋ねた。

金持ちトレーダーは入るようにしぐさをしながら、片方の眉をくいっと上げた。

「トレイリング・ストップ注文を幾つか入れているよ。

だから、株価が反転したら売り注文が出てポジションが解消されてしまうかもしれないないな。

あとは取引時間の最後の方で、他に買いの逆指値注文を入れるべきものがあるかどうかチェックするつもりだよ」

 

新米トレーダーはあぜんとした。

 

巨万の富が詰め込まれた口座を運用し、生計として投資をしながら、どうして取引についてこうも無関心でいられるのか、ただもう彼にとっては理解の域を超えていた。

なぜ、株価の動き1セント1セントを凝視していないんだ?どんな些細な相場の動きも知りたいと思わないんだろうか?

「自分の保有するポジションが気にならないんですか?取引する機会を逃すかも知れませんよ」

リビングルームに入りながら、新米トレーダーは尋ねた。

 

「ふむ、われわれは皆、お金を失うのは嫌いだ。

しかし、私の売り注文は、あらかじめ決められたストップロス注文の株価に達すれば出されるというもので、私のその場の考えで決められるものじゃないからね。

取引システムを運用するのであって、相場がどうなるかという自分の考えで動いているわけではないからね。

だから、パソコンにしがみついたり、CNBCを見つめたりする必要はないんだよ。

だいいち、そうすると逆に衝動的になって、取引プランに反した注文を入れてしまいかねないじゃないか」

 

「実は今日、取引プランに反した注文を入れたくなってしまって。でも、そうしなかったんですが」

新米トレーダーは決まり悪そうに言った。

話すまいと決めていたのにどうしてだろう?

 

「ふむ、取引プランに反することで生じる一番危険なことは、それはリスクだ。

大量のポジションを取引することは、君の口座にとっては大変大変なリスクとなる」

「ええ……実際、そうしそうになったんです」

 

金持ちトレーダーは首を振った。

「君が過ちを犯して、口座残高の数パーセントを失うというのならまだ大事ではない。

取引を続けて取り戻すこともできるだろう。

5%の損を出す取引を4回連続でやったとして20%のマイナスだ。

そこからまた5%の利益を上げて元に戻すとしたら5回連続で勝って25%を取り戻せばよい」

 

金持ちトレーダーは一瞬止まって考えにふけった。

 

「もちろん、普段なら2回勝って1回負けるとか、3回勝って2回負けるとか様々なパターンになるが、問題は君が一度の向こう見ずな大口取引で、しかもまずいストップロス注文を計画して、50%もの資金を失うような場合だ。

取り戻そうとしたら、その時は元手の100%の利益を上げなければならないということになる。

もし、50%の損失で1万ドルの口座残高が5,000ドルになったとしたら、その5,000ドルを新たに運用して100%の利益を上げて1万ドルに戻さなければならないということだ。

これは大惨事だよ。

1万ドルから20%の損失を出して8,000ドルになった場合なら、元手の25%の利益を上げれば1万ドルに戻るわけだからね。

リスクを見極める最も重要な決定要因は、言うまでもなく取引のサイズだ。

私の場合は4%以上のリスクを負うことは決してない。

それに、良い取引というのは一般的には取引を始めた当初から利益が見えているものだ」

 

「僕はストップロス注文で5%リスクを取るつもりでした」

「それで、利益の期待値はどうだね?」

「わかりません」

 

金持ちトレーダーはため息をついた。

 

「それはわかっていなければならない重要な情報だよ。

10回取引をして、5%の損失を出したのが5回、2・5%の利益を出したのが5回だとすると、同じポジションサイズだったとすれば、合わせて12・5%のマイナスだ。

同様に5%の損失を5回出すが、今度は10%の利益を5回出したとすれば、同じポジションサイズで勝率50%というわけだが、それで25%の利益が出ることになる。

しかし、君が一貫したポジションサイズを維持しなかったら、損益レシオ(payoffratio)をゆがめることになる」

「損益レシオ?」

 

新米トレーダーは困惑した表情で言った。

 

「基本的には利益の出た取引の平均利益額と損失を出した取引の平均損失額の比率だ。

この比率が大きければ大きいほど、勝ち組戦略を持っている可能性が高くなる。

この比率が1・5より低ければ、トレーダーとして成功するのは厳しいだろうな。

この比率の計算方法は勝ち取引と負け取引が同数回あった場合、利益の総額を損失の総額で割ればよい。

多くのトレーダーにとっては、少なくとも1ドルのリスクに対して2ドルの利益は欲しいだろうね。

これはつまり5%の損失に対し10%の利益を勝率50%で得るシナリオのもう一つの表現方法だ。

君のシステムを試験的に取引するにあたって、この勝率と損益レシオを記録しておくことは、利益予想を立てる上で非常に重要だよ。

負けているときに取引を続けられるように自分のシステムに自信をもつことも重要だ。

どんな取引システムでも、市況が取引システムのスタイルに利せず、資産が目減りしてしまうことはある」

 

「うーむ……わかりました。

たびたび助言いただいて、ありがとうございます。

なんだか、新たな研究領域に目を開かせてくれたような気がします。

取引システムやプランを作るためにそういったことも注意しなければ……。

勉強しなければならないことが一杯ありますね」「またいつでも来なさい」

 

金持ちトレーダーはまた本を手に取ると、新米トレーダーを玄関まで送りながら言った。

 

「でも、次来るときは、あらかじめ電話してくれよ」新米トレーダーは苦笑いした。