コンフォートゾーンとは、居心地のいい場所という意味です。 居心地のいい場所にいることは心地よいですが、成長しようと思わない、ということにもつながります。
コンフォートゾーンの盲点
コンフォートゾーンには盲点があります。
コンフォートゾーンは本人にとって慣れ親しんでいる場所なので、潜在的に見えているものの集合なのです。脳は一度見たものは二度と認識せず、記憶として見ています。脳が認識するのはコンフォートゾーンの中でも、その時にとくに重要なもの、緊急性を持ったものだけです。コンフォートゾーンのサーモスタットのような働きがホメオスタシスなのです。
夏エアコンで室温27℃に設定したとすると、27℃より低くなると自動的にスイッチが切れ、27℃より高くなると自動的にスイッチが入ります。人間も設定されたコンフォートゾーンからはずれると、それが良いほうにはずれても、悪いほうにはずれても、自然に設定された状態に戻ろうとします。暑さで体温が高くなりすぎたときは発汗して作温を下げようとするし、寒いと体に脂肪をつけて寒さに耐えられるようにしたりします。
こうやっていつも36℃程度に体温を保っているのです。生体的なホメオスタシスは、体温36℃周辺で、酸素の量やエネルギー量はこのくらいというふうにコンフォートゾーンを決めます。コンフォートゾーンを決めると、このゾーンに合わせて生体が自律的に調整するのです。
このホメオスタシスの空間が、物理空間から情報空間へと広がってきました。コンフォートゾーンは気温などの物理的空間だけだったのが、所得、会社、物の考え方を含めた情報空間へと広がったのです。
つまり、コンフォートゾーンは、セルフイメージ(=ブリーフシステム)と合致した空間という定義ができるのです。ブリーフシステムに合致しているものだけがその人にとって重要なので、それだけがRASを通り抜けます。だから、コンフォートゾーンの外側は盲点になって見えなくなるのです。