#14 【クロノスの商人が教える】新米トレーダーはギャンブラーのように振舞う

クロノスの商人(@ChronoMerchant)です。この記事では、新人トレーダー物語風にトレードの流れや注意点などを書いています。

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新米トレーダーはギャンブラーのように振舞う。金持ちトレーダーはビジネスマンのように活動する。

 

 

耳障りな目覚まし音が鳴るとすぐに新米トレーダーはアラームを切った。

彼は目覚めたまましばらく横になっていたのだ。市場が開くまで、あと1時間。彼にはやらなければならないことがある。彼は以前取引をしていたときに感じたような異常なほどのアドレナリンの放出を感じた。

そしてテレビに飛びついてCNBCのチャンネルをつけた。欧州とアジア市場では株価は1%以上、上昇していた。彼はなぜこうした変動が起きたのか理解しようとしたが、株価上昇の正確な理由を読み解くことはできなかった。

しかし、トレーダーらが強気で株価が上向きなのはわかっている。そして、今日は投資で儲ける自信に満ちて、彼はパソコンの脇に彼の取引プランを書いた紙を広げた

彼は金持ちトレーダーと取った食事の時から2週間かけてシミュレーターでテストし、10回の取引を記録した。

 

 

7回の勝ちに3回の負け。

(金を失わなければ、それは勝ちだ。取引手数料を払うだけでいい。)

2,400ドルの儲けに750ドルの損で、差引で1,650ドルの儲けになった。彼の取引システムはうまく行っているようだ。

しかし、システムの長期的な実現可能性を見るには10回では足りず、より多く取引を重ねるべきだと金持ちトレーダーだったら言うだろう。

それに市場全体が上昇基調であるかどうかは、システム自体とは別物だということを彼は知っていた。彼は自分の取引日誌を眺めた。

 

 

学んだことを復習するには非常に便利で、彼は金持ちトレーダーのアドバイスを聞いて良かったと思った。

①ロスカットは極めて重要だ。

250ドルの損失を出して売った銘柄のほとんどは下落を続けており、銘柄によっては1,000ドル以上も損をする可能性があった。

取引を始める前に、リスクとして負える金額を決めておかなければならない。

②買いの逆指値注文は有効だ。

これによって自動的に相場に参入でき、追加で利益を上げることが可能になった。

取引した幾つかの銘柄については、上昇トレンドを見て買いに入ろうにも、急騰時に手入力で注文していたら、おそらく何百ドルも稼ぎ損ねていただろう。

③自分は株価が下がり始めたところで利食いをしている。

もし、トレイリング・ストップ注文を出していなかったら、2回の取引で利益を手放していたところだった。利食い売りの戦略を持つことは良いことだ。

自分のこの取引システムは、注目銘柄をもっと早く、多分、支持線のあたりで買う方法が見つかるとか、あるいはまた、下落場面ではなく大幅上昇したところで売る方法があれば、もっと良くなるだろう。

金持ちトレーダーはこれについてきっとアドバイスしてくれるのではないだろうか。

新米トレーダーはその朝、取引をしたいという強烈な誘惑を感じた。それで、買いに入るポイントがないかとウォッチリストをチェックした。

彼の欲望は肩に乗った小悪魔のように彼に耳にささやき、シミュレーション用の口座ではなく、実際の口座で株を買うようにと彼をそそのかした。

実際、それに見合うことをやったじゃないか?と悪魔はささやいた。一生懸命、調べものをしたし、取引を重ねて口座を運用することを学んだ。彼は利益を得てもいいんじゃないか。相場は彼に借りがあるようなものだ。

リアルタイムの株価ストリーマーは赤と緑に点滅し、ラスベガスでギャンブラーを誘うように彼を相場へといざなっている。

 

 

一時、この悪魔は勝利し、大量のあぶく銭を勝ち取る幻想が彼の心に忍び込んだ。彼は賢い。──欲望という名の悪魔は彼に言った。お前なら市場の動きに勝てる。

株価は上昇していた。

彼が今、保有するのはSRRSだけで、株価は10・35ドル、紙の上では500ドルの利益になっている。

株価が9・85ドルに落ちたとき売ればいいわけで、この状態はかなり心強い。取引プランに目を移した時、彼の理性が戻ってきた。プランに沿った動きをしなければ。

計画もなしに大量の株を買うなんてばかげている。パソコンから離れなければ。取引したいという誘惑から離れなければならない。

彼はとうとう金持ちトレーダーに電話をかけた。すると、来て話さないかと快く金持ちトレーダーに招待された。

新米トレーダーは正午頃に金持ちトレーダーの家に着いたが、その時不意に、彼は金持ちトレーダーが一度もCNBCを見ていたことがなく、それどころかディスプレイが幾つもあるようなイカした取引ステーションなど持っていないことに気づいた。

彼は一体、取引しているのだろうか?それとも引退したのだろうか?

 

 

「自分が取引しようとしたときの誘惑には本当に驚きました」

と新米トレーダーは話し始めた。

「計画に従うより、アグレッシブに取引したくて仕方がないのです」

「全てのビジネスや規律と同じで、失敗する原因の一つは、いつも心理学的な側面によるものだ」

金持ちトレーダーは言った。

「プロフェッショナルプロフェッショナルでいるということは、どんな気分でいたとしても自分の仕事をする、ということだ。トレーダーには実際は二つの仕事がある。調査と取引だ。最初は調査しなければならない。

長期的に成功する可能性が高い取引システムを見つけ、そのシステムをテストし、自分の個性に合う取引プランを作成する。

それからその勝率と過去データからの最大下落幅に基づいて、リスクにさらせる金額をはじき出す。そうしたら、次の仕事はその取引プランに沿って取引を行い、相場が開いている間はそれを変えないということだ。調整は取引時間外に行う」

 

 

「下落って?」

思わず新米トレーダーは尋ねたが、自分がバカみたいな気がした。

「取引では、口座残高は一方的に増えていくものではないのだよ。例えば10,000ドルからスタートしたら、それが9,500ドルになり、それから10,500ドルになるといったようなことだ。

口座残高が2倍になったとしても、それは単に値動きが荒いなかでの一時的なものかもしれない。

一回、大勝ちして、それから3回小さく負け、それからもう一度大勝ちした後に2度小さく負ける……こんなことはよくある事だ。成功への鍵は小さく負けて大きく勝つことだ」

と金持ちトレーダーは言った。

「もし損失が出ているのなら、すぐに撤退することだ。一番理想的な取引は買った時点で儲けが出ているものなのだから。逆に利益が出ているなら、ストップロスになるまで放っておいて利益を伸ばすんだ。

いいかい、負け組になりたいなら、一番の方法というのは、損切りせず、株価がさらに下落を続けている間、株価が戻るのを期待し続けるということと、逆に利益が出たときに小額ですぐに利食いしてしまい、大きな利益を逃していつまでも負け分を取り返せないということだ」

金持ちトレーダーは一息ついて、さらに続けた。

「もう一つ、非常に重要なことがある。取引しようとパソコンに向かったら、カジノではなく、オークションに参加するような気分で取り組むことだ。

自分のビジネスにおいて仕事をするように感じるべきで、スロットマシーンをしたり、ルーレットでチップを賭けるような気分になってはダメだ。

もうそうした気分を味わったとしたら、君はギャンブルをしたいだけでいずれは失敗するハメになる。

トレンド追従型のトレーダーは利益を上げる、チャートを読むトレーダーも利益を上げる、スウィングトレーダーも利益を上げる、デイトレーダーも利益を上げる、ポジショントレーダーも利益を上げる、しかし、ギャンブラーは全て最終的には何もかも失うのだ」

 

 

そう金持ちトレーダーは話し終えた。

新米トレーダーは少し動揺の色を隠せなかったが、金持ちトレーダーの警告を胸にしまった。