#6 【クロノスの商人が教える】新米トレーダーは出口戦略がないために利益を手放してしまう!

クロノスの商人(@ChronoMerchant)です。この記事では、新人トレーダー物語風にトレードの流れや注意点などを書いています。

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新米トレーダーは出口戦略がないために利益を手放してしまう。金持ちトレーダーは利益が出ているうちに確保できる。

金持ちトレーダーの家を前回訪問したのは、思っていたよりも最近のことだった。新米トレーダーがそのことに思い及んだ時には、彼はもう玄関口に上がっていた。彼の気持ちの中では半分はまた先生からレッスンを受けられるという喜びがあり、もう半分は失敗したことからくる屈辱的な気分が占めていた。金持ちトレーダーとすごす時間が貴重で、おかげで自分自身がだんだん賢くなることは新米トレーダーにはわかっていた。

それがお金に換わっていけばと願うばかりだ。扉を2度叩くか叩かないうちに、金持ちトレーダーが扉を開いた。彼は湯気を立てるコーヒーカップを両手に持っており、その一つを新米トレーダーに差し出した。

新米トレーダーは感謝の笑みを浮かべてそれを受け取った。彼は金持ちトレーダーの中に、彼の物腰に以前見えなかった何かがあることに気づいた。

彼は成功を絵に描いたような感じだ。たとえポロシャツとたるんだスラックスでいたとしても。彼は、まるで全ての言動が最初から計画されているかのように見え、目的意識と知性を身にまとっている。

そして、いつも快活で新しい一日に準備ができているようであり、新米トレーダーはまさに彼のように自分はなりたいのだと感じた。

彼は自由が、自信が、そして安心が欲しかった。それがために投資を始めたのだった。

 

「コーヒーをありがとうございます」

「礼には及ばんよ。入りたまえ」

金持ちトレーダーは言った。新米トレーダーはあとに続いて居間に入った。しばらく世間話をしたあと、金持ちトレーダーが本題に入った。

 

「さて、最近、投資はどうだい?」

「そうですね、何かわかったと思うたびに、変化球が来て顔に当たりますよ」

新米トレーダーは自嘲気味に半笑いしながらそう言った。金持ちトレーダーも笑った。

 

「そうか……。私もよく同じように眉間に食らったものだよ。全て勉強のうちさ。しかし、決して相場が『わかる』なんてことはない。市場を予想することはできない。市場が出すサインに反応できるだけだ。少なくとも私が成功しているのはその点だよ」

「それでは、取引プランの中で利食いのタイミングですが、どうしたら一番良いと思いますか?」

「それは君の取引プラン、方法論、システムによるね。私のようにトレンド追従型のトレーダーの場合、トレイリング・ストップ注文が利食いになる傾向が強いね。しかし、移動平均線の支持線を破ったときや、何日間か年度来安値を続けて記録したときなど、売りサインが出ることもある。

ともかく、利益はできるかぎり伸ばしたいわけだ。選んだ銘柄が大きな波を捉えるチャンスを与えなければならない。トレンド追従型トレーダーは、大きな勝ちをつかむことで他の全ての小さな損失を埋めなければならないんだからね」

 

金持ちトレーダーはコーヒーを一口すすってから続けた。

「しかし、抵抗線と支持線の間の値動きで取引するトレーダーは、抵抗線と考えている水準に株価が上がればそこで売るだろうね。決算発表を挟んだあたりで短期的な振れを狙うスウィングトレーダーなら、過去の値動きを参考に単純に目標価格を設定するかもしれない」

「過去の値動きというと?」

「つまり、もし君がスウィングトレーダーで、決算発表の1か月前にある会社の株を買ったとすると、過去の値動きから、決算発表前までにどれくらい株価が動くのか知りたいだろう」

金持ちトレーダーは咳払いした。

 

「決算発表までに4週間、過去4年間の値動きを見た場合に、それぞれ株価が8%、7%、10%、12%と上昇していたのなら、7%ほど上昇したところで利食いするのが賢いだろう。あるいは、8%以上、値上がりしたら7%のところで逆指値注文を入れておく。

仮にそのとき10%も上昇したら、見込まれる利益のほとんどは手にしているようなものなので、利食いを検討するべきだろう」

新米トレーダーはしばらく考えてから言った。

「そういったことはこれまで考えたことがなかったです。実は、前回取引したとき利益を全てふいにしちゃって……。ニュースが発表されたせいで取引開始前に株価が急落しちゃったんです。

しかも、さらに悪いことに、売る水準だったのに売らず保有してしまって、最初の損だけでは済まなかったんです」

「それは不運だったね。含み益のまま持ちすぎたことと、トレイリング・ストップの考えに従わなかったことが合わさったということかな?」

「そうです。その通りです」

新米トレーダーはため息をついた。

 

「ふむ、まあ、それはためになる人生経験さ。飛行機事故がどうやって起きるのかと同じことだ。たった一つのことが原因になるのではなく、常に複合的な問題が原因で惨事は起きる。

悪天候や新任パイロットのミス、機器の故障が重なって飛行機は墜落する。決して原因は一つではない。

非常に多くの安全装置がはたらいているために、一つの原因では飛行機が落ちるなどという惨事は起こりえないのだが、それは取引も同じことだ。

取引するときは、

①取引しようとする銘柄のボラティリティ、一日の平均的値動き幅、収支報告にいたるまでの過去の値動きなどを知っておかなければならない。

さらに、同業他社の収支報告がどのようにその銘柄に影響するかも知っておくべきだ。経済指標の発表も株価に影響するかもしれない。その銘柄についてとにかく徹底的に知り尽くすことだ。

②リスクをコントロールすること。

もし株価が予想とは反する動きをして、ストップロス注文の価格に達したり、もしくは窓を開けて下落したら、撤退するべきだ。これが破滅に対する保険になる。期待したり、その後どうなるか予想してはいけない。ただ、売りなさい。

そうすれば、過半数のケースで、さらに損失が膨らむことを防げるだろう。売ったあとは、あらかじめ想定していたような上昇局面で、自分の取引プランに合った状況になれば、また買いに参入すればよい。

③自分のエゴを取引から締め出すことだ。

君の目指すところは、常に当てるということではない。目標は長期的にお金を儲けることだ。それは、相場で勝ったときの利益を負けたときの損失より大きくすることで達成できる。

当てたときに大きく、外したときに小さくということに注力し、いつも当てようなどとは思わないことだ」

 

これらの金言を吸収しようと、新米トレーダーは必死にメモを取った。

「株が急落したときに、君は売らないことを決めた。この時、どんなルールを破ったのだと思う?投資家心理に関するものか、リスクか、方法論的なものか」

新米トレーダーは顔をしかめた。

「投資家心理に関したルールがたくさんあるだなんて、以前は考えたこともありませんでした。多分、全部についてなんじゃないでしょうか。僕の取引プランは主に方法論に基づいています。投資家心理に関するルールにはどんなものがあるんですか?」

「私は過去20年間の経験から、投資に役立つ10の原則を身につけたよ。どれもがつらい思いをして学んだものだ」

金持ちトレーダーはパソコンの隣にある古いノートを手に取ると、最初のページを開いて新米トレーダーに渡した。

 

かすかに黄色がかった紙に、手書きで次の10のルールが書かれていた。

  1. 毎日、取引を始める前に、自分の取引ルール、取引プランを読みなさい。
  2. 決して株価の反発を期待してはいけない。最初に決めた価格で損切りしなさい。
  3. 常に規律を守ること。最初に決めた取引プランに従うこと。
  4. 決して度が過ぎた取引をしないこと。
  5. 成功する取引は取引プランとシステムに従ったものだと知ること。
  6. 何かをしながら取引してはいけない。取引している時は、取引に集中すること。
  7. 自分の考えはどうでもいい──ただ値動きがあるだけだ。
  8. 決して予想しようとしてはいけない。トレンドに従い、トレンドの反転に従え。
  9. 後知恵の罠にはまってはいけない──取引している今、現時点が重要だ。
  10. 常に相場の動きを尊重し、傲慢になってはいけない。

 

「ほとんどのルールは、私が実際に経験から学んだもので、ルールに反したことをするたびに数千ドルを失うような痛い思いをした。また、取引日誌をつけていたから、そこから得たものもある」

「数か月前までは、これらのことは単なる常識で、自分にはルールなんて当てはまらないと考えたと思います。でも、今は違います。

シミュレーションでの取引と実際に資金を使ってリアルタイムに取引することがこんなにも違うんだと驚いているんです。

そういえば、まだちゃんと取引日誌も始めていない。それもやらなきゃ……。書き留めたレッスンと、あなたに教えてもらったルールと原則にしたがって行動し始めないといけないですね。あなたが何年も取引して学んだことなんだから」

 

「どんなことでも、成功しようとしたら間違いから学び、それを修正しなければならない。偉大なゴルファーになろうと思って毎日毎日バケツ一杯のボールを打っても、フォームがおかしかったら上達しないだろう。

異なる状況ごとにどのクラブを使うか、クラブの適切な持ち方、スウィングの仕方、距離によってどれくらいの強さで打つかを学ばなければならない。

取引も同じことだ。過ちからできるかぎり早く学び、繰り返さないことだ。取引が当たっているか外しているか、市場は即座に返答を出してくれるのだから、成功するトレーダーの原則というものを学んでいかなければならない。

株式投資は見返りは大きいが、簡単なものではない。買うためのプラン、売るためのプランを持たなければならない。そして、当たったときの利益が負けたときの損失よりも長期的に大きくならなければならない。

また、自分の取引プランに自信を持ち、何度か続けて負けたとしてもそれに従い続けなければならない。自分のエゴを監視し、取引に影響を及ぼさないように見張ることだ。

取引毎のリスクを安全な水準にとどめ、何度か連続で勝ったとしても強欲にならず、全てを賭けたいなどと思わないことだ。株式投資は他のビジネスと同じだ。ビジネスだと思って扱えば、きっとうまく行くだろう」