#11【クロノスの商人が教える】 新米トレーダーはトレンドに反した取引をする

クロノスの商人(@ChronoMerchant)です。この記事では、新人トレーダー物語風にトレードの流れや注意点などを書いています。

ちなみにブログより活動してるtwitterもチェック↓

新米トレーダーはトレンドに反した取引をする。金持ちトレーダーはトレンドに従う。

Trend【名詞】

  1. 大勢が向いている方向、広く行き渡っている傾向trendsintheteachingofforeignlanguagesthetrendofevents
  2. スタイル、流行thenewtrendinwomen’sapparel
  3. 道路、河川、海岸線などの方向【動詞・自】
  4. (出来事や状況などが)ある方向に傾く
  5. ある方向を取る傾向がある。ある方向に伸びる
  6. 河川や山脈などが、ある方向へ変わる、方向転換するTherivertrendstowardthesoutheast.【関連語】countertrend〔名詞〕対立する傾向、逆傾向subtrend〔名詞〕傍流【類義語】tendency(性向・傾向)、stretch(広がり)、run(〔ある傾向に〕向かう、傾く)、incline(傾斜・傾向)

 

 

新米トレーダーは「トレンド」の定義を何度も読み返し、本当の意味が何なのかを考えた。「大勢が向いている方向、広く行き渡っている傾向」というのは彼にはよく理解できた。

大多数の投資家が利益を得るために取得し保有しているということか、もしくは彼らが損失を抱えて、さらにそれが拡大するのを恐れて売ろうとしているか、ということだ。

市場も個別銘柄もセクターも、すべてどちらかの方向へ、広く行き渡る傾向がある。チャートを研究する過程で、彼は一定の値幅を動くトレンドよりも、他の様々なトレンドを多く見つけた。

大多数のチャートでは、株価は短期的な高値かもしくは短期的な安値に向かっているように見える。また、一般的には52週間での高値、もしくは安値に近い水準に位置しており、その真ん中というのは非常に珍しい。

上昇トレンドは、現在の株価が10日移動平均線の上を行っていることでわかり、下落トレンドは50日移動平均線上か、もしくはそれを下回っていることでわかるような気がした。

 

 

また、市場全体が上昇トレンドにあれば、明らかに他のほとんどの株も上昇トレンドにあった。

市場を牽引するリーダー的な銘柄がある一方で、出遅れている銘柄や、市場がどんなに強い上昇トレンドにあっても個別に下落トレンドに陥っている銘柄もある。

彼が理解し始めたのは、市場を牽引する銘柄は収支報告への期待が一番強く、出遅れている銘柄は市場のシェアを失いつつあり、減収見込みであるということだった。

あるいはもっと悪くて彼らのビジネスモデルがすでに通用せず赤字を出しているような状態だということだった。投資資金は良好な収益予想が育つところへと流れるのだ。

今や金持ちトレーダーからの日々の投薬が実を結ぶ時だ。彼は金持ちトレーダーが繰り返し話していた「トレンド」について、彼の経験と考えを聞きたくなった。

新米トレーダーと金持ちトレーダーは二人の家のちょうど真ん中にある湖畔で待ち合わせた。新米トレーダーは日が高く昇ったころに姿を現した。うららかな陽光で皮膚にじんわりと温かさが滲みこんでくる。

 

 

彼はベンチに座って気持ち良くくつろいでいた。小さい子供たちが近くで湖面に向かって石を投げ、水切りをしている。金持ちトレーダーはしばらくしてからやってきた。彼らはお互いに笑顔を交わした。二人とも一塊のパンを抱えており、全く同じことを考えていたようだった。

しかし、エサやりというより、むしろパンを守っているような状態だった

アヒルもガチョウも全く臆することなく、実に活発に、ガーガー鳴き叫び、パンをねだって二人をつついた。かなり甘やかされた鳥たちのようだ。新米トレーダーはひとしきりちぎったパンの欠片をアヒルたちに投げつけると、話を始めた。

「トレンドを判定する最も良い方法はなんでしょうか?」

「出来高の増加を見つけることだな。出来高ランキングに載ってくるとか、あるいは最高値、最安値を更新したものとかだね。

理想的には、自分が取引に興味がある銘柄で狭いレンジでここ数か月、値動きしているようなもので、そうだな、例えば95ドルと100ドルの間で動いていたものが、ある日、突然、出来高が普段の倍になって最高値を更新して101ドルになるとか。

これがまさにトレンドが生まれたところだ。売り手はもはや100ドルでは売りたくないし、買い手は理由はどうあれ、上がると思って喜んで101ドル払いたいと思っている状態だ。

トレンド追従型のトレーダーはなぜ価格が上昇しているかの理由にはこだわらない。トレンドトレイダーはただそういうものだとして取引をするのだ。

実際のところ、トレンドトレイダーたちは強気でも弱気でもなく、市場がどちらの方向へ行こうが関係なくて、ただ動いているということが重要なんだ。

トレンドトレイダーの取引システムというのは、その銘柄を101ドルで買うのと全く同じように、94ドルで空売りするようなこともあるのだ。

単純に株価だけが売買の引きがねになるシステムを用いて、多くのトレンドトレイダーがミリオネアになっている。彼らはトレンドがあるものなら株式も商品先物もどちらも取引して、それで資産を築いている」

 

 

金持ちトレーダーは話しながらパン切れを投げていた。アヒルたちは普段にもまして腹ペコの様子だが、何か理由があるのだろうか。

「それで、トレンドを引き起こすものは何です?」「一つは、需要と供給だ。株に関して言えば、買い手が増えれば株価が上がる。

例えば、その会社の商品によって収支報告が良化し、そのファンダメンタルによって儲かると期待する買い手がより増えるといった状況だ。

人間の欲望と恐怖心も、株価をファンダメンタル的な価値を狂ったように大幅に超えて突き動かすことがある。下落トレンドでは、株価が1セント落ちるにつれて恐怖心が増加していく。同時に、株価下落を見て、売りで儲けようと他のトレーダーも参入してくる。

買い手は周りを見ても皆、損失を抱えて苦境に陥っており、買おうにも買えず、下落トレンドは損失をエサにしてさらに拡大する」

 

金持ちトレーダーは一息つくと、パンの欠片をつまんで、縄張りを確保しているような一羽のアヒルに向かって投げた

「上昇トレンドも燃え盛る火のように拡大することがある。欲望というガソリンが燃えてさらに多くの買い手が飛び込み、株価はロケットのように上昇する。

大幅上昇のタイミングで、今度は買い逃す恐怖のために、反落を待っていたトレーダーたちが待つのを諦めて買いに入るのだ。

その銘柄を空売りしていたトレーダーは買い戻しに入らねばならず、それがさらに買い圧力となって上昇トレンドに拍車をかける」

 

 

アヒルは猛烈な食欲だった。

新米トレーダーは金持ちトレーダーの話を聞きながら、普通のアヒルじゃないと思わずにはいられなかった。幼いころはもっと従順だったような気がしたが……。

「トレンドトレイダーは儲けるためにトレンドの果実を捕まえるだけだ。反トレンドトレイダーは、大きな価格反転が起きる高値か安値を正しく当てなければならないため、確率的に不利が付きまとっている」

「トレンドトレイダーとしては、高値更新の時に買いに入らないといけないのですか?」

「いいや、そうではない。君のウォッチリストにある銘柄が上昇トレンドにあると確信できる限り、反落したタイミングでも買いを入れることができる。

チャートを利用して支持線を探れば反落の幅を予想することができるだろう。例えば、過去2か月で10日移動平均線とか20日移動平均線が支持線になっているかもしれない。

もし、過去に価格が20日移動平均線で支えられており、そこから反転して上昇しているのなら、君の取引システムで20日移動平均線で買いを入れるという要素を含むのもあり得るだろう。

そうしたら、そこからいつ売るのかを決めなければならない。トレンドの強さによっては、20日移動平均線を再び割るまでは保有することもあるし、ボリンジャーバンドのアッパーバンドに触れたら売るというのもアリだ。

それはその銘柄のチャートしだいだ。トレンドしだいでは、株価が10日移動平均線も20日移動平均線も何週間も触れないことがある。

移動平均線は次第に上昇することになるので、ストップロス注文が引き出されたときには、移動平均線が購入価格よりも大分上がっていて利益を得ることができるだろう。

それから、さっき話したとおり、95ドルと100ドルの間を行ったり来たりするような、ゆっくりした横ばいトレンドの銘柄を取引することもできる。

取引システムは支持線の95ドルあたりで買いを入れ、抵抗線である100ドルあたりで売るというものになるだろう。支持線と抵抗線には、移動平均線と同様に価格自体を用いることができる。

株価が抵抗線を下回ったらではなく、上離れしたら買うということを確かにしたいわけだが、完璧な例を示すと、例えば価格が95・05ドルをつけ、その後95・50ドルに上がるとすると、それは支持線の上離れだ。

94・75ドルをつけ、そこから94・25ドルに落ちたとなると、支持線を下回ったということで、そのどの部分でも買うタイミングではない」

「では、上昇トレンド中では、新高値だけでなく、それ以外でも買いシグナルが出る可能性があるわけですね。思うに、強気相場では買い、弱気相場では売りのシグナルを採用するようにしたらいいかと」

「その通り。損失を一番被りやすいのは、強気相場で売りに入り、弱気相場で買いに入ることだ。可能性は非常に低い状態になる。

相場の天井や底を捉えて、そこで相場が反転するのを予想できるなどと考えるのはうぬぼれも甚だしい。トレーダーが一生懸命になるべきなのは、相場の方向性を見極め、それが反転したときにストップロスをどうするか決めるということだけなのだ」

 

 

「トレンドトレーダーは何%くらいの確率で勝つのでしょうか?

新米トレーダーはあり得ないほど高い90%を想像しながら、そう尋ねた。

「優れたトレンドトレーダーは40%から50%の確率で勝つ。彼らがそれで成功できるのは、勝つときは大きく、負けるとき小さく負けるからだ。

大きな損失を出すとしたら、ある期間、値動きが荒い相場が続いた場合に、何度も続けて負けるような時だ。しかし、長期的には勝ちが積みあがり、資産は驚くほどの大きさになる」

「どうも個人的な経験をお話しされているようですね」

新米トレーダーは笑いながら、一向に満足しそうにないアヒルたちに向かって、パンを投げた。

 

「そうだ。他のトレンドトレーダーと同じく、私も長期にわたってこの方法で利益を得てきた。

一番難しいのは、やはり何度も続けて負けたときに、自分の取引システムに信頼を置き続けられるかだろうね。

また、資金が大きくなればなるほど難しくなる。10万ドルを取引するのは1万ドルを取引するのとは違う感覚があるのだ」

「その問題に突き当たってみたいものです」

と新米トレーダーは笑って言った。

「私は過去のパフォーマンスを元に作りあげた純粋にテクニカルなシステムで取引している。私のその場の意見だとかニュースとは全く関係なく、今、実際にあるトレンドのみに従っている。

私はファンダメンタルに従って取引はしない。他のトレーダーや投資家が買うか売るかの反応に従って取引していると言える。

従って、トレンドを予測したりしない。トレンドに従うのみだ。出来高、価格、移動平均線でトレンドを読み取るのだ」

 

「投資はロケット科学みたいですね。──ロケットを見つけて、それに乗る、と」